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中央銀行は政府から独立した機関ですが、多くの国では総裁も理事も、政府が任命しています。選挙が近づけば、政府の首脳は景気の行方が気になります。そんなとき、物価の動きを心配する中央銀行が公定歩合を引き上げようとすると、とたんに圧力がかかってきます。その力に負けて政策の発動が遅れ、インフレになってしまった例は、残念ながら日本にもあります。日本の中央銀行は日本銀行です。設立されたのは明治15 (1882)年で、すでに1世紀以上の歴史があります。現在の日銀法は第2次大戦中の1942 (昭和17)年、国家総動員体制の一環としてつくられ、国家主義的な色濃い内容になっています。それがいまも改正されないのは、戦後の改正論議の際に、金融政策の決定の条文案をめぐって日銀と大蔵省が対立し、それがしこりとして残っているからです。当時、大蔵省は「日銀と大蔵省の意見が一致しなかった場合は、大蔵省が日銀に政策運営について命令を下せる」ようにすべきだと主張して、譲らなかったと伝えられています。